愛なんて知らなかったんです
もう、貴方はいない…
それは僕が千種と犬とエストラーネオを出て1年がたった頃だと思う
彼女と出会ったのは…
「おはよう、」
「お早う御座います。」
眠そうな目をこすりながら歩いている僕
それを彼女は微笑みながら紙袋を僕に渡す。
その紙袋に入っているのは栄養価の高い食料だ
「これ、高いんじゃ…」
「ん、高いっすよ。その食料たち。」
「でも…僕はお金を」
「はい、すとーっぷ」
「?」
「おまけだよ。たまには栄養価の高い食事をとりなさい。」
「ですがっ、」
「素直に好意に甘えておきなさい。バチはあたらないっすよ。」
不本意ながらもそれを受け取った僕
それにならって彼女は僕の頭を撫でた
それに対して僕は少し頬を紅潮させる
その頬を紅潮させる理由がわからないんだ。
「(僕のこの気持ちはなんなんだろう)」
「さ、もう行きなさい。たまに二人を連れて此処に着てもいいよ?」
「あ、すみません。」
「まったく、こういうときはありがとうっすよ。」
彼女は微笑んだ、僕もつられて笑う
僕は彼女の名前は知らない。
彼女も僕の名前を知らない。
彼女はあまり名前を教えてくれないそうだ。
僕にも教えないでといわれたから教えない。
「じゃあね、」
「はい、さようなら。」
彼女の名前を知らないから呼べない。
それに、彼女は何かを隠している
食料を貰う好意は何ヶ月も続いた
そして、あるとき突然彼女はいなくなった
********
「はい、骸。今日の任務」
「わかりました。」
「ランクはSS級だから、気をつけてね。」
マフィアを嫌いだったはずの僕が今ボンゴレファミリーの幹部になっている。
何故かボンゴレは居心地がいい。
ボンゴレファミリーはとても面白いところだが、
幼い僕が会ったあの女性の居たところがとても自然に笑顔がでていたとおもう。
今、笑顔が出ていないといえば嘘になる。
だが、あの頃よりは少ない、何処か喪失感がある。
「では、失礼します。」
「あ、骸。」
「何ですか?綱吉君」
「骸にとって今日はいい日になるよ。」
「どういうことです?」
「わかんない、直感だよ。」
危険な任務で何故イイコトがあるのだろう?
そんな疑問を持ったが任務先へと向かった。
**********
「一緒に来てもらいますよ、」
危険な任務といっていたが、それは見せ掛けだけだったようだ
部下は全員弱かったし、人数だって少ないのだ。
あとはこの女性だけだ
「…何か言ったらどうですか?」
「言うことは…――、久しぶり」
「何ですって?」
「大きくなったんっすね。」
其処に居たのは、あの時僕に愛情を注いでくれた彼女だった
「あなたは…っ、どうして此処に?!」
「…野良だから」
「野良?」
「野良は何処にも属さないっすよ、」
そういえば資料にあったワードを思い出す
何処からともなく来た強い護衛が来たことを今思い出した
「此処ももう、契約をきらないと。」
「じゃあ、」
「?」
「僕と契約してください。」
「え?」
「貴方の名前は?僕は六道骸といいます」
「私は、…だよ。」
もう少し、あと少し、愛をください
「なんで、私と契約したいの?」
「僕は、が好きだからです」
「同じ感情もってたんすね。」
そして、この感情にきづいたのだから
ボンゴレに帰ってきたときは以外にも綱吉君を知っていた。
は沢田綱吉と家が近所だったらしい
僕も会いに行けばよかったなんて想いながら
(もう少しじゃなくて、君のちゃんとした愛を下さい)(それは、ワガママでしょうか?)
Emotion of love様提出作品