「あいたいよ・・・。」ぽつりと響く私の声。見慣れた空間、かけているもの。沢田綱吉達とイタリアへ渡った骸。
もう3年はあっていない。その3年間で私は骸へのいとおしさを募らせた。
今でも、鮮明に思いだせる、骸の顔、匂い、動作や表情。
その1つ1つが思い出、ということに少しだけいらだちを覚えた。
「勝手にいって、それっきりって、なによ。」行きどころのない感情を言葉にのせて空気にぶつける。
しかし、空気は空気。なんの反応も示さない。
「いつも骸は勝手でさー。少しは相談、してくれても良かったのに。」
「すみません。」
「すみませんじゃすまないよ・・・。」
「本当にすいません。」
「謝っただけじゃ許さないんだから。」
「じゃあ。これでどうですか。」
ふと、唇に感じた、懐かしい感触、暖かさ。 目の前には少し大人びた貴方の顔・・・。
「む、くろ。」
「帰りました。。」
その姿に今までにない喜びを覚え、涙を零した。 でも、悲しみの涙じゃない。喜びの涙、だ。 「お帰り。骸。」
そういって二人で、抱き合って、 温かさを共有して、 いままでの時間を埋めるように、私たちは抱き合っていた。
そのときによぎる、1つの不安。 何時、帰ってしまうのか、という問題。
「ねえ。いつ、いつまで居られるの?」
「はい?」
「いつまで此処に居られるの?」
「今週末、ですかね。」
「そっか、また、お別れ、だね。」
「・・・。」
そんな優しい声で私のことを呼ばないで。 寂しくなる、から。
でも、そんな私の思いとは裏腹に骸の顔は柔らかい表情をしていた。
「。一緒にイタリア、いきましょう。」
「えっ?」
「以前の僕なら、を守ることは出来ませんでした。 でも、今なら違う。 僕は、を命をかけて守り、愛します。」
「骸、骸・・・!」
言葉にならない思いを動作にたくして私は、貴方に、心を伝えようと思います。ねえ。この思い、伝わったかしら。
忘れものは君
(もう忘れ物はしませんよ。)(忘れ物の悲しさをしった今日この頃。)
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此処まで読んでくれた様と 沖原夕祈様に感謝。 冴木時雨 07.12.21