私はその日もいつも通り元気に登校してきました!

「おはよう!」

「おはよう〜

友達の菜奈が眠たそうに返事を返してくれた。

「ねむそうだね、菜奈」

「昨日遅くまでテスト勉強してたからさ〜、もう眠くて死にそう・・・」

そう言った菜奈の眼もとには隈ができていた。

「今日からテストだもんね〜」

「もう最悪〜」

私がそうだね、と言おうとした瞬間教室のドアが開いて、ある人物が入ってきた。

その人を見た瞬間、さっきまで賑やかだった教室内が水を打ったように静かになった。

―――雲雀 恭弥。

並盛中風紀委員長にして最強の不良。

そんな彼が教室に入ってきた!!しかも私の目の前の席に座ったんだけど!!

・・・そういえば、雲雀くんの席ってここだったっけ・・・

雲雀くんは1回も教室に来たことがないからすっかり忘れてた。

雲雀くんは席に着くと、頬杖をついて、欠伸をした。

なんか、近くで見るとすごくカッコいいなぁ・・・でも、本当はすごい怖いんだよね・・・

そんなことを考えていると、雲雀くんが突然後ろを向いた!!

「ねぇ」

「は、はい!(うわ、声ひっくり返っちゃったよ!)」

「1時間目は?」

「・・・・え?」

「科目、何?」

「えと・・・・国語・・・です」

「そう、ありがとう。さん」

「あ、ど、どうも」

雲雀くんと話しちゃったよ!!勇者だよ!!

っていうか、なんで雲雀くん私の名前知ってたんだろう?









―1時間目・国語。

まぁ、そんなわけで妙な緊張感に包まれながらテストが始まったわけですよ。

・・・・む、難しい・・・

前の席の雲雀くんはというと、スラスラと問題を解いている。

・・・不良なのに頭いいんだね。

羨ましいなぁ・・・大体、何なのよ、係り結びって!!





*****





やっとのことで50分のテストが終わった。

試験監督の先生が「一番後ろの人が答案集めてきてください、お願いします、すいません!!」雲雀くんがいるせいなのかすごい、頭が低い。

私は1番後ろだから、答案を回収しなきゃいけないわけだけど・・・・

雲雀くんの答案回収するんですか・・・・!?!?

なんか、Lv1の勇者をラスボスの魔王の前に放り出すようなものじゃないですか、これ。

でも、やらなきゃなぁ・・・

こうなったら、さりげなく行こう!!よし!!

私は雲雀くん脇を通り過ぎざま、彼の答案用紙に手を伸ばした。

が、途中で思わずその手が止まった。

「・・・・え?」

答案用紙の隅にきれいな字で、「好きだよ」と書いてあった。

ひひひ雲雀さん!!!あなた一体どうしちゃったんですか!?!?

予想外のことにフリーズしてしまった私を見て雲雀さんは口の端をつりあげて笑った。

さん」

「え、あ、はい?」

「好きだよ」

「・・・・はい?」

「僕は君のことが好きだよ。ずっと君のことを見てた。だから僕の恋人にならない?」

「・・・・え、あの」

っていうかこの告白クラス中に丸聞こえですよ!!

「もし」

「・・・?」

「もし、君が僕を振ったら、僕は狂ってしまうかもしれないよ?そうしたら、この学校中の人間を無差別に咬み殺すかもしれないよ?」

・・・・すみません。これは脅迫ですか?

っていうか、クラス中の視線が痛いです。

菜奈がまるで呪うような眼でこっち見てるんですけど。

誰か助けて!!

「わ、か、りました」

「君は物分かりがいいんだね、さん」

雲雀さんはとてもきれいにほほ笑んだ。

思わず見惚れてしまうくらい!

「それじゃぁ、いこうか」

「え・・・」

「そうだ」

雲雀さんは思いついたような顔をすると、突然、

「んっ・・・!!!」

キスして来なさった!!!!!!

「これでもう悪い虫は付かないよね?君たち、ちゃんと他のクラスにも言いふらしておいてね」

教室中の人間が千切れるくらい首を縦に振った。

「それじゃ、いくよ・・・・

「・・・・っ!?」











テスト用紙の裏で告白

(名前を呼ばれた瞬間、恋に落ちました)(もとから君に拒否権なんてないんだから)










素敵企画「emotion of love」様に提出!!
ありがとうございました!!